人気番組・開運! なんでも鑑定団で放送された美術品に関して物議を醸しているようです。
曜変天目茶碗の鑑定結果が白黒つかずに、本物なのか? 偽物なのか? と視聴者は気になっているようですね!
複数の専門家からは「本物だったらもっと価格が高いはず」と指摘を受けています。
果たして曜変天目茶碗、これって本物なのか? 番組で放送された茶碗と、本物の写真を見比べてみましょう。
曜変天目茶碗ってどんな茶碗なの
そもそもこの曜変天目茶碗、いったいどんな茶碗なのでしょうか?
曜変天目は、窯で焼いたときに偶然に近い形で青や藍の斑紋がついたものを指す。宇宙の星々のように輝き、光の当て方や見る角度によって色が変わる模様が特徴。
偶然が生み出した自然の美ということですね。人間が狙って作り出せる代物ではないということです。それだけに世界中でも3個しか存在が確認されておらず、番組では「世紀の大発見だ」と4個目の茶碗の出現に興奮気味でした。
鑑定士の中島誠之助さんも、
「ますます疑惑は深まるばかり」
「だからこそ窯変天目(曜変天目=ようへんてんもく)は価値がある」
と絶賛していましたが、とある陶芸家から「待った!」の声がかかったのです。
曜変天目茶碗を再現しようと活動されていた陶芸家、九代目長江惣吉さんが「これは本物ではない。素人から見ても違いが分かる」と指摘をしました。
ですが、「番組で放送されていた茶碗の実物を見たのではないが」と前置き。TV越しからでも分かるくらいの違いがあったの? と疑問に思いつつも、長江さんの指摘は納得せざるを得ないような。
- 番組内の茶碗は、絵の具を塗ったものである可能性が高い
- 2500万円は安すぎる。本物なら、桁が3つ増えてもいいほど
と意見しています。さすが中国まで行って数々の茶碗を見てきただけありますね。父の代から茶碗の再現に奮闘してきた人の意見ですし、「そう言われると……」となりますね。
じゃあ、本物と偽物の違いって何!? と思ったので見比べてみました。
本物と番組内の茶碗を見比べてみた結果……w
徳島県徳島市でラーメン店主をしている橋本浩司さんが所有しています。
そして本物の写真資料がこちら。
曜変天目茶碗(稲葉天目)[国宝]
中国の南宋時代に福建省で焼かれて日本に輸入された天目茶碗で、国宝に指定されている三つの曜変天目茶碗のうちの一つ。現在、静嘉堂文庫美術館が所蔵している。 pic.twitter.com/Ju9x7ugLUm— 焼き物bot (@Yakimono__bot) 2016年5月27日
曜変天目茶碗[国宝]
中国の南宋時代に福建省で焼かれて日本に輸入された天目茶碗で、国宝に指定されている三つの曜変天目茶碗のうちの一つ。現在、藤田美術館が所蔵している。 pic.twitter.com/yAB0fPH3hk— 焼き物bot (@Yakimono__bot) 2016年5月27日
【曜変天目茶碗③大徳寺龍光院蔵】
堺の豪商・津田宗及が所持し、子・江月宗玩に伝わる☆地味な斑紋は幽玄な美しさを持つ☆
1606年に黒田長政が、父・黒田官兵衛の菩提を弔う為に龍光院を建立☆その開祖が江月宗玩で現在も龍光院が所蔵している☆#曜変天目 pic.twitter.com/3wuwPJPx30— negotiator21st (@negotiator21st) 2016年12月20日
ほ、本当だ……。どう見てもこれは色がくすんでいるやろ……。
本物はブラックオパールのように光り輝いているとのこと。
鑑定団で公開された物は黒く艶々しているだけで、星のような輝きはありません。
じゃあなぜ間違って鑑定してしまったのか?
鑑定士である中島さんも人ですから、「本物であって欲しい」という希望的観測から鑑定ミスをしてしまったのではないでしょうか。
3つしかない。なら、目の前にあるこれが本物だったらものすごい発見だ! と冷静さをかいてしまっても仕方ないのかなとも思います。ですが目利きをする番組であるので、やはり本物か偽物のかの白黒はハッキリつけるべきだと思いましたね。